今更ではありますが、しばらくCS6のレイトレース機能を使ってみて気がついた事などです。
環境によっては当てはまらないかもしれません。
また、あらゆるケースを考えて比較検証したわけでもありません。
個人の感想レベルと考えて下さい。
マテリアル設定
■アンビエントアンビエントライトの影響力です。
アンビエントライトが無いと何も起こりません。
■拡散
全体の色の強さです。
数値が高いと色がはっきり出ます。
低いと黒に近づきます。
■鏡面強度
光が当たっている部分の明るさの増減です。
■鏡面光沢
光が当たっている部分の広さを制御します。
いわゆる「ハイライト」です。
数値が高いほど、明るい範囲が狭くなります。
デフォルトが5のやつです。
■金属
0に近いほど、ライトの色の影響が強くなります。
■反射強度
反射の強さです。
■反射シャープネス
数値を下げると、反射による映り込みがボケます。
ヘルプでは「レイトレース画質」の値を 3 以上が推奨されています。
実際のところ、綺麗に見せるには3以上さらに上げる必要があると思います。
■反射ロールオフ
この数値が0の時、反射の強度は常に一定です。
この数値が高いほど、カメラと面の角度によって反射の強さが変化します。
フレネル反射を再現するものです。
詳しくはこのサイトなどが参考になります。
■透明度
増やすと透明になります。
この数値を100にしても、ライトによって明るくなっている部分は透明になりません。
■透明度ロールオフ
この数値が100の時、
この数値が高いほど、カメラと面の角度によって透明度が変化します。
■屈折率
「透明度」を上げるか、レイヤーの「不透明度」を下げると機能します。
数値が1だと屈折しません。
レンダリングが重くなる原因とか
■高い解像度重くなる最大の要因です。
4Kとか、想像するだに恐ろしい結果が予想されます。
■レイトレース画質
やはり高くするほど重くなります。
一定以上にしないとノイズが酷くなるので上げざるを得ず、難しいところです。
■シャドウの設定
まず、シャドウをオンにしているだけで若干重くなります。
シャドウの拡散の数値を上げるとさらに重くなります。
■反射シャープネス
反射をボカす数値です。
0に近づけるほど重くなります。
■画面の中の比率
オブジェクトが画面を占める割合が大きい程、重くなります。
■「反射」「屈折」
どちらかが有効な場合、
1.5~2倍くらいの時間がかかるようになります。
両方有効な場合、なぜか片方だけの時とそれほど時間は変わりません。
■周囲を囲うような置き方+反射
シーンを囲うような大きいオブジェクトがあって、そのオブジェクトの反射が有効な場合、
大変重くなります。
■大量のオブジェクト
1000レイヤーを越えるあたりから、
「高速ドラフト」にしても描画までに数秒待たされるようになります。
最小限のレイヤーをソロ表示にするなどしても、1000レイヤーある時点でどうやっても待たされます。
各種問題
レイトレースが有効な時に起きた問題です。■プリコンポーズ問題
アニメーションしているレイヤーをプリコンポーズした時、
タイミングが意図していたものとズレる等の、おかしな挙動をする場合があります。
■途中から始まるレイヤー問題
途中から表示されるレイヤーがあると、
「レイトレーサーが起動できない」というエラーが起きる場合があります。
再起動すると大丈夫だったり、そうでなかったりします。
■シェイプのウィグルとの相性
押し出したシェイプレイヤーの線を「パスのウィグル」などで激しく変形させると、
エラーが出てレンダリングしてくれないことがあります。
線が細かすぎる形になるとダメらしいです。
■謎のノイズ
原因不明のノイズが出ることがあります。
横長のノイズだったり、白い点だったりします。
大抵はAEを再起動するか、「レイトレース画質」を上げることで消えます。
■疲労?
全く同じコンポジションなのに、レンダリングできなかったり
レンダリング時間に倍に近い差が出ることがあります。
原因不明です。
AE再起動で改善されます。
■謎の立方体問題
複数のレイトレースコンポジションを続けてレンダリングした時、
レンダー結果が「立方体が一個中心に表示されているだけ」という怪現象が起きたことがありました。
■その他、止まる、あるいは極端に反応が鈍ることがある時
・何らかのレイヤーをソロ表示にした時
・「レイトレース画質」を変えた時
・ライトを増やしたり減らした時
・レンダリング終了後に新規コンポジション→新規レイヤー→3Dレイヤー化
■再開1フレ目の虚栄
途中で止めたレンダリングを再開すると、
キャッシュに残っているデータを基準に「結構短いレンダー残り時間」が表示されることがあります。
新人が無理して言う「全然大丈夫っす」みたいなものです。
使用環境
OS:Windows7
CPU:Xeon E5620
メモリー:32GB
グラフィックボード:NVIDIA Quadro 2000
作例
押し出し機能を使った動画です。こちらで一部のaepを公開しております。
Great test!