After Effectsのプラグインを作成しております、小泉と申します。
この記事では、AEに搭載されているフラクタルノイズを、通常のノイズエフェクトを使って自作する試みを紹介します。
この記事が通常のフラクタルノイズのパラメータの理解の手助け、自作フラクタルノイズの作成のヒントになればと思います。
ノイズからフラクタルノイズを作る
まずはAEに搭載されたフラクタルノイズを、ノイズエフェクトから作ってみます。- レイヤーを一つ用意し、ノイズエフェクトを適応します。
- レイヤーのスケールを拡大します。上の図では60倍の6000に設定しました(一番下のレイヤー)。
- このレイヤーを複製し、合成モードをソフトライトにします。(以降複製で二つになったレイヤーのうち、下のレイヤーを複製元、上のレイヤーを複製された方とします)
- 複製された方のレイヤーのスケールを、複製元の定数倍で縮小します。上の図ではちょうど半分の3000まで縮小しました。
- 複製された方のレイヤーの不透明度を、複製元の定数倍で下げます。上の図では元の0.7倍の70まで下げました。
- 上の3から5を何回か繰り返します。上の図ではさらに2度繰り返し全部で4枚のレイヤーになりました。
上の図ではスケールは下のレイヤーの半分、不透明度は0.7倍になっています。
見た目フラクタルノイズのようになりました。
フラクタルノイズのパラメータとの対応
この作成過程を踏まえて、AEに搭載されている通常のフラクタルノイズのパラメータとの対応を考えてみます。- 最初のレイヤーの拡大率は、パラメータのスケールに対応します。
- 複製されたレイヤーの縮小率は、サブ設定のサブスケールパラメータに対応します。
- 複製されたレイヤーの不透明度の低下率は、サブ設定のサブ影響(%)パラメータに対応します。
- 今回レイヤーを4枚まで増やしましたが、このレイヤーの枚数は複雑度パラメータに対応します。
- また、ノイズの種類というパラメータですが、これはノイズの補間法を示しており、今の場合リニアに相当します。
(レイヤーの画質が最高に設定されている場合、拡大した時の補間法がリニア補間になります。レイヤーの画質をドラフトに設定すると、補間法はニアレストネイバー法になり、この時作成されたフラクタルノイズはノイズの種類がブロック、ということになります。)
自作フラクタルノイズのアレンジ
今回レイヤー間の合成モードとして、ソフトライトを選択しましたが、これは見た目がフラクタルノイズっぽくなるから、という理由によるものです。特にソフトライトでなければならないということはなく、合成モードを変化させることでフラクタルノイズのアレンジが出来ます。
例
・ビビッドライト
・リニアライト
・覆い焼きカラー
更に、それぞれのレイヤーにディストーションや色調補正などのエフェクトを、値を変えながら適応することによって、より複雑な、自作のフラクタルノイズが出来るかもしれません。
リファレンス
パーリンノイズについてhttp://freespace.virgin.net/hugo.elias/models/m_perlin.htm
宣伝
フラクタルノイズ繋がりということで、私が作りましたフラクタルノイズのプラグインを紹介させていただきます。Fractal Noise 3D
http://aescripts.com/fractal-noise-3d/
2013 12/21、バージョン1.50を公開しました。新機能はこちら
アップデートは無料です。また、無料のトライアルバージョンが用意してありますので是非 http://aescripts.com/fractal-noise-3d/からお試しください。
この記事に対する 1 の反応があります
コメントをどうぞ!