Aeの最新バージョン、After Effects CC 2015がリリースされました。

以前よりNABでの発表や、AE研究会でのデモなど、CC 2015のアップデート内容が出てきていましたが、以前までのCCアップデートと違って、気をつけなければいけない点があるので記事にしてみました。


（スプラッシュスクリーンはAsh Thorp作ですね。Behanceに作品を上げていればいつかはスプラッシュスクリーンに選ばれるかも？）

まずはじめに注意

AE CC 2015はおなじみのCreative Cloudアプリからダウンロードしますが、
今回からアップデート時に「以前のバージョンを削除」がデフォルトでオンになっています！
後述の理由で、AeをCC 2015 一本だけにするのはお勧めしません！

冒険好き以外は必ずチェックをはずして、以前のバージョンを残した方がいいと思います。（しばらくは）
また、「すべてアップデート」も罠なので押さないように。

 

レンダリングアーキテクチャの再設計

AE CC 2015ではレンダリングのエンジンが一新されています。
今までは、1フレームの描画が終わるまでパラメーターを変更したり、インターフェイスを触ったりできなかったのですが、CC 2015からはフレームの計算中でもパラメーターをガンガン変えたり、さらにはプレビュー再生中にレイヤーのオンオフや、数値を変更することまでできてしまいます。これは本当に素晴らしいですね。

まだご存知ない方は、その他のチュートリアルや、公式の情報をぜひチェックしてみてください。
リアルタイムプレビューはこちらの動画などをご覧ください(英語)
また、プレビューの仕様変更については、公式ブログにてとても詳細に書かれています(英語)


アーキテクチャの再設計はこれからの改善の大きな1歩で、より高度で柔軟なマルチコアレンダリングや、自動的にキャッシュを作成して待ち時間をなくしたりと今後AEが進化していく上で非常に重要で期待が膨らむアップデートになっているのですが、まだ正直動作が怪しいところがあります。

具体的には、
・現在の時間インジケーターが見えなくなる（Cmd/Ctrlによるオーディオプレビューをすると発生）
・プレビューの計算が止まらない、音がきちんと鳴らない
・フレームの計算中に一部キー操作を受け付けない、など

そして、一時的になくなって、おそらく今後、より強力になって帰ってくるであろう機能もあります。(参照)

・マルチプロセッサー
・ワークエリアをバックグラウンドでキャッシュ
・レンダリング中、フレームバイフレームでプレビューを表示
・(Macのみ) Dockアイコンにレンダリングの進捗バーを表示

これらおなじみの機能はCC 2015では使えません。マルチプロセッサーでより早くレンダリングしたい場合はCC 2014を使う必要があります。そもそもマルチプロセッサーが生かせるコンポジションとマシンの組み合わせはまれでしたが。
これらは遅かれ早かれ、以降のアップデートで対応され、より強力になって帰ってくると思います。レンダリング中の画像は早いところ表示して欲しいところですけどね…。

幸い、CC 2015のプロジェクトは2014でも開くことが出来るので、aepは行き来可能です。

 

プラグインは？

アップデーターが提供されているものは最新版にアップデートしてください。だいたいのプラグインは既に問題なく動きます。
Adobeのブログに互換情報が載っていますが、 Trapcode Sound KeysとBorisFXの一部エフェクト、Re:Vision Effectsのプラグインがいくつかのプラグインとの組み合わせで問題が起こるようです。（単体では問題なし）

 

じゃあAE CC 2015は入れない方がいい？

いいえ、まだ荒削りな部分はあるものの、CC 2015自体はとてもいいアップデートです。インターフェイスがより洗練されて、エンジンが快適になっただけではなく、Expressionエラーのポップアップ廃止、フェイストラッカーやキャラクターアニメーターなどもついてきます。
前バージョンは残しつつ、基本は2015に慣れておくのをオススメします。

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