基礎

レイヤーを複製してブラーを掛けてオーバーレイで重ねるといった手法は有名ですが、グローも基本は同じで、レイヤーを複製したものをキーイングし、加工、ブラー等をかけて合成するといった工程になります。ということは新たなグローを考える場合に工夫の余地があるのは、どういう基準で抽出するか、どういう加工をするか、どういうブラーを掛けるか、どのモードで合成するか、といったことになります。

標準グロー

安易に掛けるとダサいと評判の標準グローですが何故ダサいのでしょうか。

図にトーンカーブが載ってますが、標準グローは各カラーチャンネルにこういう形のトーンカーブを適用しブラーを掛け合成します。tが閾値でIはグロー強度です。大体(t-1/16,0)の点から(t,I/2)の点に向かって直線が伸びていく感じになります。つまり、グロー強度は直線の傾きを、グロー閾値はx方向への平行移動を決めるので、グロー強度を一定にして、閾値を下げていくと傾きが同じまま移動していって飽和しまくります。これだけでも十分使いにくいんですが更にやっかいなことに、このトーンカーブは輝度等に適用されるわけではなく先程書いたように各カラーチャンネルに適用されるので、閾値を下回ったチャンネルはスパンと切られ閾値以上のチャンネルは上記のトーンカーブによりブースト、結果R,G,B,C,M,Y,Wの嵐になります。

自作グロー

とりあえず輝度を基準にしたグローを作ってみます。輝度の場合、ルミナンスキーが使えます。

使用すると当然下のように明るい所だけが抜けるので

ブラーを掛け、

加算で合成すれば終わりです。明るさを変えたいなと思ったときは不透明度を変えるなり二度がけするなりすればいいんですが、ちょっと面倒なのでレベル調整してみます。

明るくなりました。レベル調整する際は、8,16bpcだとすぐ飽和してしまうので32bpcにした方が賢明ですね。
ちなみに標準グローだとこうなります。

目に痛い。
加工、ブラーに工夫の余地があるといってなにもしないのはあれなので、とりあえず色分離させてブラー（方向）の角度を変えたものを2枚用意して

重ねます。

表現として綺麗かどうかは置いておいて、標準グローではない感じは出ました。

応用

これだけだと知ってるわという人も多々いそうなので少し応用編。

この画像の葉っぱ部分にグローを掛けます。先程と同じようにルミナンスキーを使用してみます。

まわりのブロックも巻き込んでますがブラーを掛ければ誤魔化せそうです。が、もう少しいい方法を考えてみます。ブロックと葉っぱ部分の差異を考えます。勘の良い人はすぐ分かると思いますが彩度ですね。彩度をとりあえず見てみましょう。

楽観的かつ主観的に結構綺麗に抜けそうです。抜き方は色々考えられそうですが、とりあえずRGB空間からHLS空間に持っていきキーイング、またHLS空間からRGB空間に戻すという工程をとります。色空間の変換は「チャンネルコンバイナー」を使います。

一つ目のチャンネルコンバイナーを「RGBからHLS」に、二つ目のチャンネルコンバイナーを「HLSからRGB」にすると、当然元に戻ります。その間でキーイングをします。彩度は青に変換されるので、青を基準にして抜きます。こういう時に便利なのが「抽出」です。エフェクトの詳細は各自調べていただくとして、適用するとこうなります。

結構綺麗に抜けました。「抽出」エフェクトのいいところに、色相を取り扱うのが便利というのがあります。例えば赤は0°～30°、330°～360°と別れてしまうわけですが反転を使えば楽に出来ます。

……。こちらのほうが綺麗に抜けましたね……。ということでこっちを使います。先程と同様にブラーを掛け今度はハードライトで合成してみます。

加工前に比べ画として綺麗になったか否かは別にしてとりあえず掛かりました。
応用は利くと思うので色々試してみて下さい。

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